下地庁舎から

宮古島の下地地区はサトウキビ畑の広がるのどかな場所。
そこに周辺の集落と比べて背の高い、遠くからでも目立つ下地庁舎があります。
宮古空港と同じく赤瓦の屋根でできたその建物を何気なく眺めているとふと気づきました、「あれっ、もしかして最上階は展望台になっているのでは?」と。

庁舎の一部は塔のような構造になっていて、その最上部に湾曲した「出窓」があるのです。
まるで「ここの眺めは最高だよ」といわんばかりの作り。スマホを取り出し検索すると、やはりありました。フロアガイドに「展望台」の文字を発見。一般開放されているようです。

自分でもカンの良さに驚きつつ、さっそく行ってみました。

ひっそりとした1階のロビーを抜け、エレベーターで3階まで上ります。
そこからは内階段を使い6階の展望台を目指します。

お〜!いいですね!集落を一望。

機窓よりも低く俯瞰する眺めは新鮮です。

展望スペースの様子。

台風対策のためか、ガラスには保護フィルム(?)が貼り付けられていて、解像度の低下と色の干渉は避けられません。汚れやフィルムの気泡もあるので、なるべく影響を受けないよう少しでもキレイな部分にレンズを押しつけて撮影。

しばらくすると最初の1機目がきました。

地上を見渡す限り、人とクルマが見当たりませんね。
なんだか少し不気味さを感じます。長く伸びた街路樹の影もそれを後押し。

反対側にも窓ガラスがあり撮影できます。ド逆光を回避するといくらかマシな画質に。

干潮ぎみの与那覇湾。
しばらく眺めていると機体は陸地の奥へ消えていきました。

広角レンズだとB787でもこのサイズです。

機影がこの辺りに来たらダッシュで数メートル離れた反対側へ移動を開始。

移動し終わると望遠レンズのカメラに切り替えて撮影を続行。
どちら側も撮りたいと大変です。

宮古島の市街地が遠くに見えます。
よく買い物でお世話になる、マックスバリュ宮古南店のある辺りです。

控えめなサイズでも、しっかり主張している入道雲。いいですね。

欲を言えば順光で満潮のタイミングに訪れたかったですが、次回のお楽しみにしておきます。

アップにするとマングローブの写真を撮った川満公園を対岸に発見。こちらも良い撮影ポイントでした。

ロケハン中に近くを立ち寄り気づいた今回の展望台。

眺めはバッチリです。しかしお世辞にも「きれい」とはいえない環境なのは少し残念。

あと、とても暑いです。クーラーの冷気はそこまで届いていません。
陽射しは容赦なく照りつけ、蒸し暑く熱気がこもり、長居は難しいでしょう。

それでもニッチな要望を満たすポテンシャルを秘めた場所のような気がします。

無料で開放されているだけでもありがたいですけれどね。

魅力的な観光地をたくさん抱える宮古島なので必要性がないのでしょうけれど、
入場料を課金するから環境を整えてくれると、うれしいな〜と思ったり……

外部へつながるドアがあったので外テラスから撮影できると素晴らしいですね!


那覇の港へ その5

与論島を離れてもうすぐ5時間が経過します。
撮影していた3時間半は、まさに「あっという間」な感覚。

しかし、まだまだ満足する結果には至っていません。

これから迎えるゴールデンアワーの空模様に期待が高まります。

スカイマークB737-800。

長く続く航跡波。勢いを失った白波に少し寂しさを感じるようになりました。

デッキにいると洋上ならではの不思議な光景に出会えます。

ぼやけて見えた機影。

被写体は自衛隊機のP-3Cですね。

タッチアンドゴーの訓練中でしょうか?

よく観察するとスコールの幕の影響だとわかりました。

ハッキリした境界線が海上に現れています。

広角24mm。ピーチのA320NEO。

完全に航路が交差。しばらく順光側で撮影。

日没間際なので機体より下から太陽の光が差し込んでいます。

石垣島からやってきたANAのB737-800。

400mm。

乗客もこんな所から望遠レンズで見られているとは思わないでしょうね。

高度およそ1000ft。60階ビルと同じぐらいの高さを飛んでいます。

地上は那覇の市街地です。拡大するとチラホラ見覚えのある建物がありますね。

沖合から遠望する那覇空港の様子。やっとここまで戻って来ました。
3日ぶりの那覇市の賑わいを懐かしく感じます。

初めて船舶とすれ違い。東京・大阪と沖縄を結ぶ貨物船、琉球海運の「にらいかないⅡ」です。

いよいよ終盤です。

久米島から飛来した琉球エアコミューターのプロペラ機。

その後ろに控えているのはANAのB777。

フェリーに乗ってから初撮影のプロペラ機です。波で揺れるデッキにいては、あまりシャッタースピードを落とせません。経験を持ち合わせていないため、カンで1/320に設定。

西日で輝くDHC-8-Q400CC。

まもなく日没です。

貨物船とB777の絡み。

大型機の撮影もこれでラストチャンス。

それぞれの航路が微妙にかみ合わないので思いどおりの構図にならず。

そうこうするうちに先行機のDHC-8-Q400CCは目前に迫ってきました。

広角レンズの出番です。

現在高度は500ftぐらい?

フェリーの高さもあるので100メートルと少しぐらいの近さでしょうか。

写真からでは伝わらない近さ。手を伸ばせば届きそう。

夕焼け色の空。

穏やかになった航跡波。

「旅の終わり」を予感させる一枚に。

望遠レンズで追いかけます。

「こういうシーンは狙えるだろうなぁ」とあらかじめイメージしていましたが

着陸機とタイミングを合わせられるかどうかは運しだい

初めての挑戦にしては悪くないのではないでしょうか。

いい絵かどうかはともかく、類の無い写真になっていればうれしいですね。

タッチダウンの瞬間!

那覇空港を拠点とする琉球エアコミューター機でした。拍手!

満足していましたけれど、まだ終わりではありません。

立っているだけで景色が自動で移り行く乗り物にいます。

特に入港直前はめまぐるしく変化していきました。

息つく間もなく、夕日に照らされた機体の駐機するエプロンへカメラを向けています。

俯瞰気味の高い視線はフェリーのデッキだからこそですね。まさに動く展望デッキにいます。チャーター船を手配してもこのアイレベルにはならないでしょう。

全ての歯車が噛み合うと現れる「幻の撮影ポイント」を開拓した気分です。

次で最後です。

ANA B777-200。

最後の最後でオーラスに相応しい機体のご登場。

着陸機を第1滑走路へ誘導していた幸運もありこのような絵となりました。
通常使用する第2滑走路でしたらまた違った結果となっていたでしょう。

5、6枚目には後方に自衛隊機のP-3Cが写り込んでいるのもうれしいポイント。
小さな機影でも「新たな物語はまだ続くこと」を想像させます。

港のすぐ側にあるロワジールホテルです。

感動的な虹のお出迎え。おもわずパシャリ。

みんな写真を撮っています。

那覇空港を出発して3泊4日「与論島で楽しむバカンスごっこ」の旅もこれで終わり。
波に揺られておよそ5時間半、ついに那覇港へ入港です。

今回の船旅は「当たり」でしたね。充実した一日となりました。

沖縄の大自然を体全体で感じられ、ヒコーキ撮影も満喫できるのですから言うことなしです。

ただし、多少の運も必要です。

まず那覇空港が「南風運用」であること。これ絶対ですね。北風運用だと離陸機を狙うことになり、撮影回数は極端に減るでしょう。

そして「沖縄本島の側を着陸機が飛行している」こと。あとで気づいたのですが、
直線ではなく迂回して空港へアプローチする場合もあるようです。
そうなるとシャッターチャンスは少ないでしょうね。

「荒天ではない」もありますが、それはそれでいい絵を狙えそう、、、

「夏だから南風だろう」と楽観的に旅程を立てていましたが、瀬長島で撮影時には北風になり、今回は南風……行く先々で晴天と風に恵まれ感謝です。


那覇の港へ その4

那覇港へ入港する1時間前です。現在地は残波岬を越えて読谷村の沖合でしょうか。

このあたりから撮影は格段に楽しくなってきました。

西を向けば日の沈み行く空と海。東を向けば暮れゆく沖縄の街並み。

フェリーに揺られて、目に映る景色は移り行き、光も刻々と変化しています。

上空を飛行機は続々と行き交い、トラフィック数に困ることもありません。

一機だけに集中していると後続機のシャッターチャンスを見失いかねず、全周囲を見張りながら望遠レンズ、広角レンズを付けた2台のカメラを使い分け、あっち撮ったらこっち撮っての連続で、まるでアミューズメントパークのシューティングゲームのようです。

この便だけ空と海の航路が交錯しました。
向かって右側を通り過ぎようとしています。

ANAのA321neo。

やっと順光で撮影するチャンス到来です。

焦点距離24mm。手持ちレンズの広角端いっぱいです。

船体部分をより広く取り入れた構図はこれで限界です。
超広角レンズを持っていないことに後悔。

西日で輝く機体とフェリーの煙突。

次は日本航空のA350-900です。

画面の右端で飛行機より存在感を放っているのは伊江島のシンボル「城山」です。
航海の目印になった理由がわかりますね。

奥には後続機となるピーチのA320neoも写っています。

遠くから、勇ましい姿。

背景に変化を加えるため広角側で絵作り。

焦点距離は100mm。

望遠レンズでは情景を収められなくなったので広角レンズにバトンタッチ。

焦点距離40mm。広角レンズでもこの大きさです!

不思議な感慨深さにひたります。

すぐさま場面転換。

フェリーに乗っていると様々な空の表情を目にします。

最後は望遠レンズでパチリ。
レジ番はJA01Xでした。

続いて先ほどのピーチ機です。

先行機は太陽の上を飛行しました。こちらは下を潜り抜けそうなコース。

と思ったら貫通しました。

高度制限区間のため、どの便もしばらく同じ高度で飛行します。
よって太陽より上か下かは横の距離によって変わってきます。
(ちなみに高度制限は1200ftのはずですが、この時はたまたまなのか、フライトレーダー調べだと1300ftと表示していました)

目の前でギアダウンを開始。

嘉手納町の沖合までに高度制限以下へ降下して、ばらくはそのまま、浦添市の真横あたりから着陸に向けて再度高度を下げている様子を確認できました。

つまり、他の空港よりも低空飛行している時間が長いです!
着陸コースの下を併走するフェリーは、撮影にもってこいですね!

また次の便です。

少し離れて飛行中。

ひねってコース変更中。

こちららへ向かってきます。

手前でまたコース変更。

おそらく嘉手納基地のコントロールゾーンを避けているのでしょう。

雲の表情にフォーカス。
立ちはだかる雲のよう。

続く。


那覇の港へ その3

引き続きフェリーにて航行中。

現在地は恩納村の沖合です。

陸地から15キロぐらい離れているでしょうか?携帯のアンテナは3本立っています。
フライトレーダーだけが頼りなので、たいへんありがたい。

ANA B777-200です。

焦点距離100mm。

焦点距離180mm。

焦点距離120mm。若干トリミング調整あり。
引きで構図作りしても、ある程度の大きさに写るようになりました。

それでも海面をフレームに入れることは今の高度だと、まだ難しいです。

キラキラと輝く海面。早くこのキラキラをフレームに入れたい。

ギアアップした機影を見えなくなるまで追いかけます。

が、いったん後続機の撮影へ移行。

スカイマークのB737-800。

立ち雲を主題にしてみました。

こちらは「間」を意識。
光の輪郭に置いて機体を目立たせています。

そしてふたたび先ほどのANA機です。

いつのまにかギアダウンしています。そして残波岬の灯台を越えています。

あっちこっち撮って、忙しくなってきました。
次は陸地側です。

なにやら断崖絶壁の上にホテルと思わしき2棟の大きな建物があります。

調べると左から「Royal Hotel沖縄残波岬」、「ホテル日航アリビラ」だそうです。
眺めの良さそうな立地には、ほぼ必ずホテルを建造している印象ありますね。

望遠で残波岬の断崖絶壁をじっくり観察。間近で見たら圧倒されそうな崖です。

近づく機影を察知しふたたびヒコーキ撮影。

ピーチのA320NEO。

10分前のスカイマークより少し近づいています。

小さなヴェイパーを纏った瞬間!

フェリーは残波岬をそろそろ越えそうです。

続く。


那覇の港へ その2

飛行機の旅も良いものですが、船旅もまた味わい深いものがありますよね。

与論島から沖縄本島への復路をフェリーにしたのは、久しぶりに乗りたいという
懐かしむ気持ちを優先したのと、ある「アイデア」を試したかったから。

それは「那覇空港行きの着陸機を船上から撮影する」です。

新たな視点となりそうで挑戦する価値あると思いました。

大海原を進航する船上からヒコーキを撮影する・・・まさに空と海のロマンです!

ってことで、乗船して2時間半経過しました。いよいよ一眼レフカメラの出番です。

出港してしばらくはOKA行きエンルートと離れているためビールを飲んで休憩。
初めて上空の機影とコンタクトしたのは、経由地である本部港へ入港する頃。

時刻は16時40分。

フライトレーダーを見ているとANAのB777が通りかかるようです。

発見しました。

フルサイズ400mmだとこの大きさ。
まだまだ小さいです。

高度はおよそ8000ftから7000ftの間ぐらい。富士山より低い高さです。
現在は巡航高度から降下中。
画面下は沖縄本島と橋でつながっている瀬底島です。

日本航空 A350−900。

40,000ftで巡航し奄美大島の周辺から降下を開始しています。
先ほどのANA機と同じです。

続いて日本航空 B777-200。大型機が連続したので気になり調べると、先ほどのA350は伊丹空港からの便でした。こちらは羽田からの便です。

雲に消えていきました。

本部港の停泊時間はおよそ30分。

那覇港へ向け、再度出港です。

港を離れるとすぐ視界に入ってきた岩肌の露呈した山。

地図と照らし合わせてみました。名護市にある「採鉱場」のようです。

採鉱場から出た土砂?運搬船でどこかへ運んでいます。

米軍のオスプレイを発見。

垂直離着陸モードで飛行しています。

地上に見える特徴的な形のANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾートホテル。
国頭郡恩納村にあります。本島のちょうど真ん中辺りですね。
向かって右側には万座毛の絶壁も見えます。

オスプレイはしばらくすると方向転換し雲の彼方へ消えていきました。

おそらく那覇空港から離陸したと思われる旅客機の機影を発見。そのサイズから、かなり距離があると思われます。

さっそくフライトレーダーを見ると羽田行き日本航空のA350-900でした。
島の陸地を挟み、向こう側の沖合の上空を飛んでいますよ。

ここからでも見えるんですね!視界の良い天気に感謝です。

続く。


那覇の港へ その1

与論島から沖縄への復路はフェリーです。

久しぶりの船旅です。なぜか定期的に乗りたくなるんですよね。

フェリー乗り場の待合所。こちらで入港してくるまでしばらく待ちます。

洋上に小さく見えていた船体が少しずつ大きくなり、港に近づいてきました。

乗船のため、ふ頭まで歩いて移動します。

白い海鳥のお出迎え。

目の前で大迫力の180度ターン。

スマホで動画撮影しながら眺めていました。接岸動作はずっと見ていられますね。

乗船するとデッキへ直行です。

ワクワクしながら始めて見る景色に興奮しっぱなし。

滑走路のある方角を見渡します。ここから離陸機を狙うのも良さそう。

サザンクロスセンターがポツンと建っています。

動画やら写真を慌ただしく撮影しているうちに出港です。

お別れの見送りをぼんやり眺めていましたが、与論島はややあっさりした見送り具合でしたね。

島によって特徴が違うので見ていて興味深いです。

与論島よサヨウナラ〜

この後は船内を探索してロビーでしばらく休憩です。


海抜106mの眺め その2

15時過ぎ出発のJL3824便に合わせてサザンクロスセンターに再訪です。

後になって気づいたのですが、与論空港のフライトスケジュールは昼間にギュッと
詰まっていますね。離陸機と着陸機を離れた別々の場所から撮影したくても、
離着陸する便どうしの間隔が短くて移動できず身動き取れない状況に。
「あちらを撮れば、こちらは撮れず」となる絶妙な具合でした。

例えばRAC816便(離陸)とJL3823便(着陸)の間なんてわずか15分。
JL3866便(離陸)とRAC815便(着陸)の間は90分です。「おっ・・JL3866便だったら
ここで撮っても兼母海岸に戻れそう」と思いがちですが、そもそも初便のJL3861便(着陸)を
兼母海岸で撮影していると、JL3866便の離陸までにこちらへたどり着けないでしょう。
なにせ全便ターンアラウンド時間は30分ほどしかありません。

ちなみに撮影ポイント間の移動は40分以上かかります。短縮は出来るでしょうけれど、
島内の狭い道をかっ飛ばして走行したくはないですよね。

時刻表ミステリみたいな事を言ってますかね?……伝わるでしょうかw

そういうわけで、少し落ち着いた頃を見計らい戻ってきました。
お待ちかねの「離陸シーン」を撮影するため5階へ上ります。

脇に設置された有料の立派な望遠鏡からの眺めも気になりますが、

自前の望遠レンズで覗いてみましょう。

滑走路がグッと近寄りました。空港周辺をズームで切り取り。
鹿児島空港行きJL3824便のATR72-600が離陸滑走中です。

フルサイズ400mmで撮影。ノートリミングです。

こちらは170mm。与論港をフレームに入れるためズームアウト。

与論港に停泊するフェリーと絡めたら、どんな絵になるのか……妄想が止まらない一枚。
唯一絡みそうなRAC816便を撮りに来てしまうと……冒頭に述べた通りですw

与論島から沖縄本島まで約22km。

およそ50年前には国境のあった海です。美しく輝いています。

ユルーく、おだやかな絵作りにしてみました。

鹿児島空港行きはサザンクロスセンターの周りをグルッと旋回して飛び去っていきます。

そして「360度の大パノラマ」の本領発揮。その場に立ち、その様子を見ていると、
まるで管制官になったような気分で、あの映画あのシーンがよみがえります。

そう、管制塔をかすめ飛ぶトップガンの有名なシーン。
2の映画を見たばかりなので意識してしまう。

この時は本当にそう思いましたね。ぜひ体験してみてくださいw

翌日はサザンクロスセンターの近くを散策して見つけた場所からJL3824便を撮影。

与論島の牧歌的な雰囲気を感じますね。


海抜106mの眺め その1

ロケハン中に見つけたサザンクロスセンター。
背の高い公共施設に引き寄せられる習性を発揮してフラフラ近づくと
「もしかしたら……」の予想どおり、最上階は展望室になっている様子。
飛行機撮影に向いているか調査するため潜入してみました。

パンフレットには「ここに来れば与論がわかる」のキャッチコピー。
サザンクロスセンターは与論島の自然・歴史・民族文化を学べる5階建て
総合施設のようです。

入館料は400円。

パンフレットによると5階の展望室は海抜106mだそうですよ。
那覇空港の管制塔と同じぐらいの高さになりますね。

360度の大パノラマも楽しみです。

一気にエレベーターで5階へ。

ドアが空くと素晴らしい展望が目の前に!
晴れていて良かった〜。

手前にあるのは琴平神社と地主神社。遠くに見えるのは沖縄本島です。

室内なので冷房の効いた快適な空間から撮影できますね。悪天候時にもいいかも。

さっそく撮影したいトコロですが、まだしばらく飛行機は来ません。
ここで撮る前に兼母海岸で着陸機の撮影ですしね。

空き時間を使って施設内の展示を見て回ることにしました。

サバニの展示

サンゴの生態を学べたり……

昆虫の標本も見学できます。同色の蝶でまとめた展示は見惚れる美しさです。

割愛しましたが他にも与論島出身の画家・池田政敏さんの絵画を展示する
イベントホールなどもありました。

一際印象に残った、5階に展示されたYS-11のプロペラ。退役した機体から
ブレードを1本だけ譲り受けたのでしょうか?気になります。

空に近い場所ですけれど脈絡を感じない展示物に「??」です。

しかしよ〜く考えてみると、解き明かす糸口は掴めるかもしれません。

きっかけは以前、宮古島の図書館で見かけた青木勝さんの写真集「YS‐11名機伝説」です。

一般エリアの航空機関係コーナーではなく、階層も違う「郷土エリア」にポンと置いてあり奇妙な感じでした。偶然見つけたのですが、離島の人たちにとってYS-11は思い入れのある大切な「郷土の翼」なのかもしれないことを漠然と考える発端に。生活に根ざした交通手段としてYS-11は無くてはならない存在だったことを、そこから想像できるようになりました。

国産旅客機でもありますし、愛着わきますよね。

図書館の本はたまたま間違って置いていただけかもしれません。しかしプロペラは
YS-11が「郷土の一部になった飛行機」だと考えると、この場所に展示されていても
不思議ではないのかもしれません。

ついついジェット旅客機ばかりに目を向けてしまいがちで、バックボーンに気づかず
見逃していた場面や発想もあったかもしれない事に思い至ります。

翼にまつわる「想い」も大切にしたいですね。

話がそれましたね。

本日の「1便目」となる到着機を撮影するため一旦、兼母海岸へ向かいます。

サザンクロスセンターからの撮影は期待できそうなので絶対に戻ってきます。

帰りがけには再入館は可能かどうか念のため確認。
返答は「当日に限り可能ですよ」とのこと。スタッフの方の親切な対応に感謝です。

これで島の中を原付バイクで走り回る、ドタバタした滞在となりますよ。

あれっ……冷たい飲み物でも飲みながらヒコーキ撮影する「バカンス」はどこへ?


兼母海岸とヨロンブルー

滑走路末端のすぐ側にある兼母海岸では、夏の卓越風が吹けば
この美しいビーチを背景にして、Runway14着陸機を撮影できます。

透き通る海の水、白い砂浜……波の音だけが響く静かなビーチ。 
8月のハイシーズンでも人の少ない、落ち着いた環境でした。

引き潮だとまた違った表現を見せてくれます。

隆起サンゴの島が作り出した色鮮やかな海。
まさに「息を呑むほど美しい」と形容したくなります。

海に浸かりながら撮影する場面では、眩しすぎてファインダー越しでも
目を開けられなかったほど。体験したことのない溢れる光に感動します。

このシーンは下地島空港と言われても気づかないかも……

正直「17エンドを越えた⁉︎」と思うシーンもありました。

勝るとも劣らない美しさを誇りますね。


白波を追いかけて

サンゴの敷き詰められた白い砂利道から、眼下の渚をめざして砂浜の斜面を下る。
ふかふかの砂に足を取られそうになりながら、サンダルの中へ雪崩れ込んだ
砂の感触を楽しむと、勢いそのまま波打ち際まで駆け下りた。

目の前には「東洋の真珠」と呼ばれるにふさわしい与論島の美しい海。
水しぶきが足元で歓迎してくれる。

上空を通過するプロペラ機は洋上で旋回し、こちらへ向かってやってくる。
海に浸かりながら岩礁に囲まれたスペースへたどり着くと、真正面に機影を捉えた。
小さな機影は徐々に大きくなる。ファインダーを覗くと見渡す限りヨロンブルー。
シャッターを切ると、プロペラ機は切り立つ崖の上へ消えていった。

与論空港の撮影シーンです。

PLフィルターは必要ありません。
ありのままを撮ってくれと言われたような気がしました。

むしろ「大人しめなテイストが似合う」と思うのは、かつての勢いを無くした島だと
知っているからなのでしょうか。

この「心の機微」はどこから……?

答えは出ません。

自分の心を探る、ひとつのテーマです。